築70年の空き家を賃貸オフィスへ再生
東京都品川区、大井町駅から徒歩4分。阪急百貨店の裏手、様々なお店が軒を連ねる便利なエリアにある築70年の木造2階建ての空き家を、カリアゲで再生しました。
1951年8月に建てられたこの戸建住宅は、オーナー様が相続したもので、約5年もの間空き家となっていました。接道がなく新築が難しいため、既存建物を活かしてリノベーションを行い、賃貸物件としての活用を希望されていました。また将来的には、ご自身で住む可能性も視野に入れた計画でした。
今回の改修では、耐震補強をはじめ屋根・外壁の修繕や内装の全面リノベーションを実施しました。特に耐震改修では、構造用合板を使った耐力壁を設置し、耐震性能(上部構造評点)を0.28から1.01まで大幅に引き上げました。これにより、安全性が向上しただけでなく、将来的に住居としても安心して利用できるようになっています。外壁は全面的に塗り直し、外観を一新。屋根も軽量で耐久性・断熱性の優れたものに交換しています。


建物の1階部分は、もともとリビングと和室だった間取りを仕切りをなくし、ワンフロアの開放的なオフィス仕様へと生まれ変わりました。床材には落ち着いた色合いのタイルを使用し、オフィスらしいすっきりとした空間にしました。また、造作したキッチンは可動式の作業台を備え、オフィスの交流スペースとしても活用できるようになっています。

2階部分も、天井を取り払い、古い柱や梁をそのまま見せることで、歴史ある建物の魅力を最大限に引き出しています。収納設備や複合機の設置スペースを作り、機能性も高めています。
全体の間取りはワンフロアのオフィス仕様に変更しながらも、キッチン・洗面・ユニットバスなどの生活設備も整備され、将来的に住宅としての用途にも対応することができます。

リノベーション
東京都品川区大井一丁目
木造2階建
75㎡
ルーヴィス
ルーヴィス
井川日生李
中村晃
1951年