分断された空間をつなぎ直した北新宿の木造住宅

新宿の喧騒から一歩路地へと入ると、庭を抱えた静かな環境が現れ、都市の中にありながらもどこか切り離されたような空気が広がります。

かつては、1階と2階の一部をひとつの住戸、2階のもう一室を別住戸として、分割して賃貸されていた木造住宅。
各住戸にはそれぞれ3点ユニットが設けられ、空間は細かく分断されていました。

 

その構成を見直し、2階の分かれていた空間をつなぎ直すことで、一棟として使える住まいへ。
住居としての居心地を保ちながら、事務所や店舗としても使える柔軟性を兼ね備えています。

 

1階では、既存の3点ユニットを解体し、新たに壁を立ち上げることで、洗面とトイレを独立した空間として再構築しています。
さらに押入れの一部を転用し、洗濯機置き場を設けることで、日常的な使いやすさにも配慮しています。

既存の木の質感や建具は随所に残しながら、必要な部分にだけ手を加えることで、過去の痕跡と現在の機能が共存する空間に。

分断されていた住宅をひとつに束ね直し、用途の幅を広げることで、都市の中に新しい余白を生み出した。

玄関建具を変えたことで、フラットだった白い面に対して、木目の建具が視線を止めるポイントとなり、奥行きと素材のコントラストが生まれました。
扉を外すことで、キッチンはぐっと明るく、開放的な空間に。 床をつなげたことで視線が奥まで抜け、広がりと奥行きを感じられます。
1階のバス・トイレ一体だった水回りを見直し、新たに空間を確保してそれぞれを分離。 洗面脱衣所にはタイルを施し、機能性とともに心地よさも整えました。
2階の和室は趣はそのままに、畳を張り替えることで空間に清潔感と軽やかさが戻りました。
かつてキッチンや水回りがあった場所を整理し、2階の2つの居室をつなぐ動線へ再構成。
2階の洋室を賃貸には扱いづらいカーペットから床材を刷新し、素材感の際立つクリーンで落ち着いた空間へ。
種別

リノベーション

所在地

東京都新宿区北新宿

 

 

構造規模

木造2階建

計画面積

65.27㎡

設計

ルーヴィス

施工

ルーヴィス

施工管理

原鏡花

撮影

中村晃

築年数

1978年